Chiho(以下C): 吉田さんが環境について考え始めたきっかけは何だったのですか?

吉田さん(以下Y): 私は団塊世代で70年代の時代背景として、環境汚染や公害によって弱者を痛めつけるような国のあり方にずっと疑問を持っていました。自分の頭の中で環境問題を放っておいたら大変なことになると分かっていましたので、環境保全のために市民がスクラムを組むような活動をしたいと思い、1993年に思い切って経営者だけではない自分の人生のライフワークを送ることを決心。44歳で「愛媛リサイクル市民の会」を設立して、二足のわらじ生活が始まりました。



C : 活動はどのようにスタートしたのですか?

Y :まずは、4人の仲間と環境啓発の市民活動を始めました。でも、当時は環境への意識もそれほど高くない時代です。そういった中でも東京や大阪ではリサイクルフリーマーケットが行われていましたので、愛媛でも環境保全の啓発活動の切り口としてリサイクルフリーマーケットを開こうということになりました。松山市の堀之内公園のスペースを借りようと行政にお願いに行ったのですが、当時は行政も「循環型社会って?」というくらいで、

松山市空港通にある「まつやまRe・再来館」
東京の事例を伝えたりしながら行政との交渉に約8か月かかりました。思いが伝わり、1994年8月20日、市民一人ひとりの力による第1回リサイクルフリーマーケットが開催されました。それ以降、定期的に開催していて、今年の2月で142回を数えます。


館内には、リサイクル家具の修理コーナーや牛乳パックの手漉き和紙実演コーナーなどがある。さまざまな講座が定期的に開かれているので参加してみては?

C :「まつやまRe・再来館(りっくる)」ができた経緯を教えてください。

Y : リサイクルフリーマーケットを定期的に開催しているうちに、世間の環境への関心も高くなり、行政も環境問題に力を入れ始めるようになってきました。私たちは当初から、りっくるのような施設をつくりたいと思っていたのですが、実は松山市もそのような施設をつくりたいと思っていることが分かり、官設民営でできたらおもしろいなということで話が進み始めたのです。子どもから高齢者までいろいろな世代の人たちが集まって、環境について楽しく学べる施設。そして、リサイクルにこだわった建物をつくろうと思っていました。
例えば、床材に再生ビニールシートを使用していたり、雨水タンクを設置して雨水利用をしたり、屋根には太陽光パネル、駐車場などではリサイクルレンガも使用しています。その後、当初のメンバー以外にも環境に興味を持っている人たちが加わり、行政と私たち市民が一緒に知恵を出し合いながら、2002年7月、りっくるがオープン。現在は「NPO法人ふれあいエコクラブ」として運営を行っています。


C : 環境保全活動をする上での吉田さんのモットーを教えてください。

Y : 「社会貢献しながら企業活動をしていかなければいけない」というのが私の持論です。いろいろな角度から多面にわたったネットワークを組んでいけば、活動の幅も広がり、より多くの貢献ができるはずです。私は、来た話はほとんど断りません。そうすることで、職業も年代も違う人たちとの交流が生まれてライフワークが広がっています。忙しいですけど、お金では買えない精神的な充足感があります。
りっくるは、 足を踏み入れると
いろいろなことが考えられる施設になっています。たくさんの子どもたちがやってきますが、この子どもたちに、次の世代にいいものを残していくのが私たちの使命だと思っています。動植物のセミナーを開くこともあります。人や物に対しての痛みが分からないと、環境は守れません。将来的には学習塾と同じように、子どもたちと一緒に学べる環境塾のようなものをつくっていきたいと考えています。それがこれからの10年間のテーマです。


ありがとうございました。
 

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