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きものをまとう。花を生ける。お茶を点てる。芸能を楽しむ。
四季のうつろいや年中行事にこころを傾ける。
それって新鮮な喜びと驚きに満ちた和の冒険なのだ!
三十路の手習いのおとぼけぶりを乞うご期待!
 
 
2004年の春、結婚=転勤という晴天の霹靂で、愛媛の土をはじめて踏んだ。今思うとこれが、ゆかりなでしこが和の冒険へと踏み出す運命の第一歩だった。夜も明けない早朝6時、松山観光港からタクシーで松山市内へと向かう窓の外は、うすぼんやりと暗くて、不安げに眺めていると、目に飛び込んできたハイカラ!な建物。
 
    運転手さんに『このレトロな建物は何ですか?』と聞くと「三津駅。古い駅なんですよ」どうしてだか、とても心に残った風景。歓迎されているって感じた三津駅との初対面。
 
それから半年、アンティーク着物との運命的な出会いをきっかけに、一気に着物ライフが始まった!まさに冒険と呼ぶにふさわしいチャレンジャー精神が功をなして、今ではすっかり着物姿のイメージも定着。我ながらすごかねーって思うばい↑
 
はじめて着付けを習ったのは三津駅にあった着物カフェ。 そんな縁もあって、何度も足を運んだ三津駅。行く度に駅舎やその周りの風景に惚れぼれ・・・。九州から遊びに来る友人を必ず連れていくのも道後温泉と三津駅は外せないという惚れっぷり。この駅のまわりだけ、時間がとまったようなノスタルジック感は、どこか懐かしい日本を旅している気分にさせてくれる。そして何といっても、アンティーク着物が似合うこの景色を好きになった。  
 
  ある日、新聞に掲載された 「三津駅取壊し」の記事。噂は耳にしていたけれど、それが現実になったのを知って、驚いた。かなり老朽化しているのは目に見えてわかるから、仕方がないのだろうけど、とてもとても残念だ。
 
 ■駅への思い
 
その昔、松山の海の玄関口であった三津駅。その繁栄を物語るモダンなデザインの駅舎は古びてなお、時代を生き抜いてきたものだけが持つ風格がある。
 
 
アールヌーヴォーの影響を受けたアーチ型の正面ファサードは類をみない貴重なものだし、かの夏目漱石もこの駅から「マッチ箱のような電車」に乗って、市内へと向かったというのも有名な話。長い時間の中で三津駅が見続けてきた物語を、私たちの『記憶』『記録』に残したい・・・。駅の改修工事と駅舎の取り壊しが迫っていることを知ったとき、脳裏に浮かんだのはそんな思い。
 
〜三津駅を記憶と記録に残す〜
 ■三津駅に似合う最高のアンティークの着物をまとって、写真を撮ろう!
 
二月下旬とは思えない春めいたある日 着物姿でおめかしした乙女たちと一緒に三津駅へ向かった
 
 
そんな思いに賛同してくれたカメラマン・一楽-ichigakuさんに
撮影をお願いした。
 
 
  着物姿の私たちは、とにかく目立ったようで、色んな人に 話しかけられた。特に、おばあちゃん達の目には、アンティーク着物がとても懐かしいらしく思い出話に花が咲いたりと 楽しい撮影の時間。三津駅はその外観だけではく、待合室もホームも、懐かくて美しい。その風景と溶け込むように、たくさんシャッターを切ってもらった。
 
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この日、キモノ美人たちの目にも三津駅が特別なものに映ったようだった。歴史を重ねたものたちの持つ力を感じてくれたと思う。三津駅は四国という美しい国に、たくさん眠っているいにしえの財産のひとつだ。その駅が無くなってしまうことは悲しいけれど、永遠の記憶と記録にとどめておきたいと思う。

■取材を終えて

アンティーク着物との出会いから始まった和の冒険は、たくさんのことを教えてくれた。その冒険の入り口はきっとこの三津駅だ。三津駅は私を古いものへ導いてくれた運命の駅。
 
 
あの日、わたしに微笑みかけてくれて、ありがとう。
そして長い間、ほんとうにお疲れ様でした。
 


  ■information
    一楽‐ichigaku
photographer

1974年松山市生まれ
大阪の専門学校在学中、
写真の楽しさに触れ撮り始める。
現在、フリーで松山を中心に活動中。
 
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